この記事のポイント
- 急性期病院のOTは発症・手術直後から介入し、早期離床と生活動作の再獲得を支援します
- 医師・看護師・PTとの密な連携が求められ、リスク管理能力が最も重視される領域です
- 平均在院日数が短いため、限られた時間で的確にアセスメントし次の段階へつなぐ力が必要です
急性期病院とはどんな場所か
急性期病院とは、病気やケガの直後に集中的な治療を行う病院です。入院期間は2週間前後と短いのが特徴です。
この病院で働く作業療法士(OT)は、入院直後から食事やトイレといった日常の動作ができるようにサポートしてくれる専門家です。
OTの1日の流れ
急性期病院のOTは、朝から夕方まで忙しく動いています。
- 朝: 患者さんの夜間の様子をカルテで確認し、チームのミーティングに参加します
- 午前〜午後: 患者さんのベッドサイドを訪問し、食事やトイレの練習、腕や手のリハビリを行います
- 夕方: その日の記録を書き、翌日の準備をします
入院直後は体力が落ちているため、1回のリハビリは20〜40分程度と短めです。患者さんの体調に合わせて、無理のない範囲で進めていきます。
急性期OTの主な役割
急性期病院のOTが特に力を入れているのは、以下の3つです。
- 早期離床: 長くベッドに寝ていると体力がどんどん落ちてしまいます。できるだけ早く起き上がり、座る練習から始めます
- せん妄の予防: 入院中にせん妄(一時的な混乱状態)が起きることがあります。日中に活動する時間をつくることで予防します
- 退院の準備: 入院早期から「退院後にどんな生活ができるか」を見据えて評価します
面会時にご本人の趣味の話題を出したり、写真を見せたりすることは、せん妄の予防に効果的です。「今日は何曜日か」「ここはどこか」といった会話も、意識をはっきりさせる助けになります。
急性期OTに求められる力
急性期病院で働くOTには、素早く判断する力、患者さんの体調の変化に気づく力、他のスタッフとスムーズに連携する力が求められます。入院直後の不安定な時期に関わるため、安全管理の意識がとても高い専門家です。
急性期OTのやりがいと大変さ
急性期病院で働くOTは、「患者さんが初めて自分の力で食事できた瞬間」にやりがいを感じる方が多いです。一方で、入院期間が短いため一人の患者さんにじっくり関わることが難しいという面もあります。
急性期OTを目指す方へ
急性期病院のOTは、病気やケガの直後から患者さんの「日常生活への復帰」をサポートする大切な役割を担っています。入院中にOTのリハビリを受ける機会があれば、退院後の生活について気になることを相談してみてください。
ご家族の方へ ── 急性期リハビリのポイント
- 入院直後からリハビリが始まるのは、体力低下を防ぐためです
- OTは食事やトイレなど日常生活の動作をサポートする専門家です
- 面会時に趣味の話や日常の話題を出すことが、回復の助けになります
- 退院後の生活で不安なことがあれば、OTに気軽に相談してください
「〜で働くOTのリアル」シリーズ
このシリーズでは、働く場所ごとに作業療法士の1日の流れ・求められる力・やりがいをまとめています。ほかの職場の記事も読み比べてみてください。
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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