この記事のポイント
- 作業療法士の養成校は大学(4年制)・短大(3年制)・専門学校(3〜4年制)・夜間部があります
- 学費・修業年限・カリキュラム・国試合格率・就職実績が選択のポイントです
- 自分のライフスタイルとキャリアプランに合った学校を選ぶことが、充実した学生生活と将来につながります
作業療法士になるまでの道のり
作業療法士になるには、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した養成施設で所定のカリキュラムを修了し、国家試験に合格する必要があります。
養成校の種類は以下の4つです。
| 種類 | 修業年限 | 取得学位 | 学費目安(総額) |
|---|---|---|---|
| 4年制大学 | 4年 | 学士 | 600〜800万円 |
| 3年制短大 | 3年 | 短期大学士 | 400〜550万円 |
| 4年制専門学校 | 4年 | 高度専門士 | 500〜700万円 |
| 3年制専門学校 | 3年 | 専門士 | 350〜500万円 |
| 夜間部(専門学校) | 4年 | 専門士 | 450〜600万円 |
いずれのルートでも、卒業時に国家試験の受験資格が得られ、合格すれば同じ「作業療法士」の国家資格を取得できます。
作業療法士(OT)になるには、専門の学校で3〜4年間学び、国家試験に合格する必要があります。
学校の種類は大きく分けて、大学(4年)、専門学校(3〜4年)、夜間部(4年)があります。どの学校を卒業しても、国家試験に合格すれば同じ「作業療法士」の資格を取得できます。
大学と専門学校の違い
4年制大学の特徴
- 学士号が取得でき、大学院への進学が可能
- 一般教養科目や研究方法論を学べるため、研究・教育分野へのキャリアパスが広がる
- 4年間あるためカリキュラムにゆとりがあり、サークル活動やアルバイトとの両立がしやすい
- 他学部・他学科の学生との交流がある
向いている人: 研究や教育にも関心がある、大学生活を幅広く楽しみたい、将来的に大学院進学を考えている
3年制専門学校の特徴
- 1年早く現場に出られる(生涯収入で有利になる可能性)
- カリキュラムが実践的で密度が濃い
- 少人数制で教員との距離が近い
- 学費総額が比較的安い
向いている人: 早く現場に出たい、実践的な技術を集中的に学びたい、学費を抑えたい
4年制専門学校の特徴
- 「高度専門士」の称号が得られ、大学院受験資格がある
- 専門学校の実践的なカリキュラムに加え、4年間の学びの深さがある
- 3年制よりゆとりがある
向いている人: 専門学校の実践的な環境で、大学と同等の学びの深さを求める方
大学と専門学校の主な違いをまとめます。
- 大学(4年): ゆとりあるカリキュラムで、研究や大学院進学の道が開ける。サークル活動なども楽しめる
- 専門学校(3年): 1年早く資格が取れる。実践的な授業が多く、学費も比較的安い
- 専門学校(4年): 専門学校の実践的な環境で、大学に近い学びができる
どちらが良い・悪いということはありません。お子さんの性格や将来の希望に合った学校を選ぶことが大切です。
夜間部という選択肢
一部の専門学校には夜間部(定時制)が設置されています。修業年限は4年で、主に18時以降に授業が行われます。
夜間部の特徴
- 日中は働きながら資格取得を目指せる
- 社会人からの転職組が多く、モチベーションの高い仲間に恵まれやすい
- 学費は昼間部より安い場合がある
- 授業時間が限られるため、自己学習の比重が大きい
夜間部の注意点
- 設置校が少なく、選択肢が限られる
- 仕事と勉強の両立は体力的にハード
- 臨床実習期間中は日中に実習を行うため、仕事を休む必要がある
ヒント
夜間部は社会人の方にとって魅力的な選択肢ですが、臨床実習(数か月間)は平日の日中に行われます。実習期間中の収入をどうするかを事前に計画しておく必要があります。
夜間部は、日中働きながら資格を目指せる学校です。社会人からOTへの転職を考えている方に人気があります。
ただし、臨床実習の期間は日中に実習を行うため、仕事を休む必要があります。事前に計画を立てておくことが大切です。
養成校を選ぶ7つのチェックポイント
1. 国家試験合格率
過去3〜5年間の合格率を確認しましょう。全国平均(第61回・2026年は91.2%)を上回っているかがひとつの目安です。ただし、合格率だけでなく「受験者数と合格者数」もチェックしてください。卒業前に受験を辞退させて合格率を上げている学校もあります。
2. 就職実績
卒業生がどのような施設に就職しているかを確認しましょう。自分が興味のある分野(急性期病院、小児、精神科など)への就職実績があるかは重要なポイントです。
3. 臨床実習先
実習先の種類と数を確認しましょう。多様な領域の実習先を持っている学校は、幅広い経験ができます。
4. 教員の質
専任教員の経歴(臨床経験年数、研究業績、専門分野)を調べましょう。学校のホームページに掲載されていることが多いです。
5. 学費と奨学金制度
総額だけでなく、年次ごとの納入金を確認しましょう。日本学生支援機構の奨学金、学校独自の奨学金、教育訓練給付金(社会人向け)の利用可否もチェックしてください。
6. 立地とアクセス
毎日通う場所なので、自宅からの通学時間は重要です。通学時間が長すぎると、体力的にも勉強時間的にも負担になります。
7. 学校の雰囲気
オープンキャンパスや学校見学に参加して、実際の雰囲気を確かめましょう。在校生の表情、教員との距離感、設備の充実度は、パンフレットだけではわかりません。
養成校を選ぶ際は、以下の7つを確認しましょう。
- 国家試験合格率: 全国平均(約80%)を上回っているか
- 就職実績: どんな病院や施設に就職しているか
- 実習先: さまざまな分野の実習先があるか
- 教員: 臨床経験豊富な先生がいるか
- 学費と奨学金: 総額と利用できる奨学金制度
- 通学のしやすさ: 毎日通える距離か
- 雰囲気: オープンキャンパスで実際に見てみる
パンフレットやウェブサイトの情報だけでは、学校の雰囲気はわかりません。必ずオープンキャンパスや学校見学に参加し、在校生に「実際に通ってみてどうですか?」と聞いてみてください。複数の学校を比較することをおすすめします。
高校生が今日から使える3つの手順
養成校を比べる前に、高校生が自分でできる手順を3つに絞りました。
- 高2の夏に志望校の入学者選抜要項を見る: 総合型・学校推薦型・一般のどれを実施しているか、理科は必要か、日程はいつか。この3点で受験のカレンダーが決まります。詳しくは作業療法士の受験勉強はいつから?
- 発達支援に興味があるなら、シラバス・教員の研究業績・オープンキャンパスの3手順で確かめる: 法令上「発達障害」の科目名はなく、学校ごとに扱いが違います。発達領域の作業療法士になるには
- 就職率は分母を聞く: 「就職希望者のうち」か「卒業生全員のうち」か、国家試験の不合格者はどう扱われているか。作業療法士の就職は狭き門?
文系でも受験資格に制限はありません。入試科目は学校で違うので、文系でも作業療法士になれる?もあわせてどうぞ。
保護者の方は、高2の夏の要項確認、発達領域の教育内容の確認手順、就職率の分母の確認を、本人と一緒に行うと学校選びが具体的になります。詳細は作業療法士の受験勉強はいつから?と発達領域の作業療法士になるにはにまとめています。
よくある質問
大学と専門学校で就職に差はあるか?
臨床現場への就職において、大学卒と専門学校卒で大きな差はありません。採用時に重視されるのは学歴よりも、実習の評価、面接での人柄、志望動機です。ただし、大学病院や研究機関への就職を希望する場合は、大学卒の方が有利な場合があります。
社会人からでもOTになれるか?
もちろん可能です。夜間部に通う方の多くは社会人経験者です。また、昼間部でも20代後半〜30代の学生は珍しくありません。社会人経験はOTとしての強みになります。
文系出身でも大丈夫か?
問題ありません。養成校のカリキュラムでは基礎から学べるように設計されています。解剖学や生理学は入学後に基礎から学びますので、高校で生物を履修していなくても心配ありません。
大学と専門学校で就職に差はある?
就職の際に大きな差はありません。現場では「どの学校を出たか」よりも「どんな人柄か」「どんな経験をしてきたか」が重視されます。
社会人からでもOTになれる?
なれます。夜間部に通う方の多くは社会人です。社会人経験は、OTとして働く際に強みになります。
文系でも大丈夫?
大丈夫です。養成校では基礎から学べるように授業が組まれています。
養成校選びのポイント
- 大学・専門学校・夜間部のどれを選んでも、国家試験に合格すれば同じ資格を取得できます
- 自分のライフスタイルとキャリアプランに合った学校を選ぶことが重要です
- 国試合格率、就職実績、実習先、学費、通学時間を総合的に比較しましょう
- オープンキャンパスへの参加は必須。複数校を比較することをおすすめします
- 社会人からの転向も十分可能。夜間部や4年制専門学校という選択肢があります
大切なポイントのまとめ
- どの学校を選んでも、国家試験に合格すれば同じ『作業療法士』の資格が取れます
- 大学はゆとりと研究の道、専門学校は実践的で早く現場に出られるのが特徴です
- オープンキャンパスで実際の雰囲気を確かめ、複数校を比較しましょう
- 学費・通学時間・奨学金の有無は事前にしっかり調べておきましょう
- 社会人からの転向も可能です。夜間部という選択肢もあります
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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