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福祉用具はいくらで借りられる?── レンタルと購入の全種目・費用・手続きまるわかりガイド

介護保険を使って借りられる福祉用具13種類と買える5種類を、費用の目安や手続きの方法とともにわかりやすく解説します。

📅 2026年4月3日 更新読了目安 48分

この記事のポイント

  • 介護保険の福祉用具サービスはレンタル(貸与)13種目購入(販売)5種目に分かれています
  • レンタル費用は1割負担で月額数百円〜3,000円程度が多く、体の状態が変わったときの交換も容易です
  • 購入は年間上限10万円(自己負担1〜3割)で、衛生上レンタルに向かない用具が対象です
  • 要支援1・2および要介護1の方は一部の種目に利用制限がありますが、例外規定もあります
  • 手続きはケアマネジャーに相談するところから始まり、福祉用具専門相談員が自宅に来て提案してくれます

はじめに ── 福祉用具は「借りる」が基本

介護が必要になったとき、福祉用具を使えば日常生活がぐっと安全になります。介護保険を使えば、こうした用具を少ない自己負担で借りたり買ったりできることをご存知ですか。

「どんなものが借りられるの?」「いくらくらいかかるの?」「どうやって手続きするの?」──この記事では、こうした疑問にすべてお答えします。

ヒント

福祉用具のレンタルは、体の状態が変わったら別の用具に交換できるのが大きなメリットです。買い切りと違って、「体に合わなくなった」という心配がありません。

レンタルと購入の基本ルール

「借りる」と「買う」、2つの仕組み

レンタル(借りる)
  • 月額制で福祉用具を借りられます
  • 自己負担は月額の1割(所得に応じて2〜3割)
  • 体に合わなくなったら別の用具に交換できます
  • 点検・修理は業者がしてくれます(追加費用なし)
購入(買う)
  • ポータブルトイレやシャワーチェアなど、衛生面からレンタルに向かないものが対象です
  • 年間10万円までが介護保険の対象になります
  • 自己負担は購入価格の1割(1割負担の方の場合、年間最大1万円)

ヒント

まずは全額を支払い、あとから保険の負担分(7〜9割)が戻ってくる仕組みが一般的です。自治体によっては、最初から自己負担分だけ払えばよい方式もありますので、ケアマネジャーに確認しましょう。

レンタルできる13種目 ── 種目別ガイド

ここからは、介護保険で借りられる13種目の福祉用具を、種類ごとにわかりやすく紹介します。月額の目安は1割負担の場合の金額です。

移動・歩行を助ける用具

車椅子(月額の目安: 200〜3,000円)

ご本人が手で車輪を回す「自走式」、ご家族が押す「介助式」、ジョイスティックで操作する「電動式」があります。体の状態や使う場所に合わせて選べます。

車椅子付属品(月額の目安: 50〜500円)

座面に敷くクッション(お尻の痛みや床ずれ防止に大切です)、テーブルなどがあります。

歩行器(月額の目安: 100〜700円)

4つの車輪がついた「歩行車」は、ブレーキと座面付きで屋外の散歩にも使えます。室内用には持ち上げて前に置く「固定型」もあります。

歩行補助つえ(月額の目安: 50〜200円)

先端が4つに分かれた「多点杖」や、前腕を支えるカフ付きの「ロフストランドクラッチ」が対象です。

注意

一般的なT字の杖(1本杖)は、介護保険のレンタル対象に含まれません。市販品として2,000〜5,000円程度で購入できます。

スロープ(月額の目安: 200〜600円)

玄関や室内の段差に置いて、車椅子や歩行器での移動をスムーズにします。折りたたみ式なら外出先でも使えます。

ベッド・寝具に関する用具

特殊寝台(介護ベッド)(月額の目安: 500〜1,500円)

電動で背もたれが上がるので、起き上がりが楽になります。ベッド全体の高さが変わるタイプなら、介助する方の腰痛予防にもなります。

特殊寝台付属品(月額の目安: 50〜800円)

転落防止の柵(サイドレール)、起き上がるときに握る手すり(介助バー)、体圧分散マットレスなどがあります。

床ずれ防止用具(月額の目安: 200〜1,000円)

寝たきりの時間が長い方の床ずれを防ぐためのマットレスです。空気の力で体への圧力を分散させるタイプが一般的です。

体位変換器(月額の目安: 50〜600円)

ご本人の体の向きを変える(寝返りをさせる)ための道具です。介助する方の体力的な負担を減らせます。

安全・見守り・その他

手すり(月額の目安: 200〜800円)

工事不要で置くだけの手すりです。トイレの横、廊下、玄関などに設置できます。

ヒント

壁にネジで取り付ける手すりは「住宅改修」という別の制度で設置できます(上限20万円)。ケアマネジャーに相談してみてください。

認知症老人徘徊感知機器(月額の目安: 300〜1,200円)

ベッドから離れたことを知らせるセンサーや、外出先を把握できるGPS端末があります。夜間の見守りに役立ちます。

移動用リフト(月額の目安: 500〜3,000円)

ベッドから車椅子への乗り移りや、浴槽への出入りを助けてくれる装置です。介助する方の腰への負担を大きく減らせます。

自動排泄処理装置(月額の目安: 1,000〜3,000円)

尿を自動的に吸い取って処理する装置です。夜間のおむつ交換の負担を減らすことができます。

購入できる5種目 ── 種目別ガイド

レンタルとは別に、介護保険を使って購入できる用具が5種目あります。衛生上、他の人と使い回しにくいものが対象です。年間10万円までが保険の対象で、自己負担は1割です。

トイレ関連

腰掛便座(自己負担の目安: 500〜5,000円)

部屋に置ける「ポータブルトイレ」や、今の便座を高くする「補高便座」があります。夜中にトイレまで歩くのが不安な方にポータブルトイレは特におすすめです。

排泄予測支援機器(自己負担の目安: 7,000〜15,000円)

おなかに当てるセンサーで膀胱の尿の量を測り、「そろそろトイレですよ」と教えてくれる機器です。2022年から新しく対象に加わりました。

自動排泄処理装置の交換部品(自己負担の目安: 500〜2,000円)

レンタルしている自動排泄処理装置のチューブやタンクなどの消耗品です。

入浴関連

入浴補助用具(自己負担の目安: 500〜3,000円)

お風呂で座る椅子(シャワーチェア)、浴槽のふちにつける手すり、浴槽の中に置く台(浴槽台)、床に敷くすのこなどがあります。

ヒント

シャワーチェアはぜひ検討してください。1つあるだけで、入浴中の転倒リスクがぐっと下がります。背もたれや肘掛け付きのものを選ぶと、より安全です。自己負担は500〜3,000円程度です。

簡易浴槽(自己負担の目安: 2,000〜8,000円)

空気を入れて膨らませるタイプの浴槽です。浴室まで移動するのが難しい方が、ベッドのそばで入浴するために使います。

介護度による利用制限(軽度者制限)

すべての用具が借りられるわけではありません

要支援1・2、要介護1の方は、以下の用具が原則として借りられません

  • 車椅子
  • 介護ベッド(特殊寝台)
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 認知症徘徊感知機器
  • 移動用リフト

一方、以下の用具は介護度に関係なくどなたでも借りられます。

  • 手すり(据え置き型)
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ

ヒント

原則として借りられない用具でも、お体の状態によっては例外的に借りられる場合があります。たとえば、病気の影響で日によって体の状態が大きく変わる方や、急速に悪化が見込まれる方などです。「うちの場合はどうだろう」と思ったら、遠慮なくケアマネジャーに相談してください。

手続きの流れ ── レンタルと購入

レンタルの手続き(5ステップ)

ステップ1: ケアマネジャーに相談する

「こんな用具がほしい」「こんなことに困っている」と伝えるだけで大丈夫です。ケアマネジャーがケアプランに組み込んでくれます。

ステップ2: 専門の相談員が家に来てくれる

福祉用具専門相談員がご自宅を訪問し、ご本人の体の状態やお家の環境を見て、合う用具を提案してくれます。

ステップ3: 実物を試す

提案された用具を実際に試します。「ちょっと使いにくい」「別のがいい」と感じたら遠慮なく伝えてください。

ステップ4: 契約して届けてもらう

決まったら契約書にサインし、用具を届けてもらいます。使い方の説明も受けられます。

ステップ5: 定期的に見直してもらえる

年に1回以上、相談員が訪問して「今の用具で問題ないか」を確認してくれます。合わなくなったら交換も可能です。

購入の手続き(3ステップ)

ステップ1: ケアマネジャーに「シャワーチェアがほしい」など、相談します。

ステップ2: 指定を受けた事業者で用具を購入し、いったん全額を支払います。領収書とカタログを必ずもらいましょう。

ステップ3: 市区町村の窓口に申請すると、保険給付分(7〜9割)が後から振り込まれます。

注意

一般のお店やネット通販で買った場合は、原則として介護保険の対象になりません。必ず、指定を受けた事業者で購入してください。わからない場合はケアマネジャーに紹介してもらいましょう。

費用のシミュレーション ── 実際にいくらかかる?

「実際にいくらかかるの?」── 2つの例でご紹介

例1: お家で杖を使って歩いている方(要介護2)
借りるもの月々の自己負担(目安)
歩行器(外出用)約350円
手すり(トイレ横)約400円
介護ベッド約800円
ベッドの手すり+柵約150円
月の合計約1,700円

シャワーチェアを買う場合は、別途1,500円程度(1回のみ)です。

例2: ほとんどベッドで過ごされている方(要介護4)
借りるもの月々の自己負担(目安)
介護ベッド+付属品約1,700円
床ずれ防止マットレス約800円
体位変換器約100円
車椅子約1,000円
移動用リフト約1,500円
月の合計約5,100円

ヒント

金額は製品や業者によって異なります。複数の事業者に見積もりを取ることもできますので、ケアマネジャーに相談してみてください。

よくある疑問 Q&A

よくある疑問にお答えします

Q: 借りている用具が壊れたら、お金がかかりますか?

普通に使っていて壊れた場合は、無料で修理・交換してもらえます。追加の費用はかかりません。

Q: 入院したら、借りている用具はどうなりますか?

入院中は介護保険サービスが使えないため、原則としてレンタルは一時中断になります。退院の見通しが立っているなら、事業者に相談してみてください。

Q: レンタルと購入は同時にできますか?

はい、できます。レンタル(月額)と購入(年間10万円まで)はそれぞれ別の枠です。たとえば、介護ベッドを借りながらシャワーチェアを買う、というのはよくあるパターンです。

Q: 買った後に体に合わなかったらどうなりますか?

購入した用具の返品は難しいため、買う前に必ず試してください。福祉用具専門相談員に「試してから決めたい」と伝えれば、対応してもらえます。

Q: 複数の業者を比べることはできますか?

はい、できます。同じ種目でも業者によってレンタル価格や取扱い製品が異なります。ケアマネジャーに「ほかの業者の見積もりも見たい」と相談してみてください。

まとめ

ポイント
  • 介護保険を使えば、福祉用具を少ない自己負担で借りたり買ったりできます
  • 借りられるのは車椅子・介護ベッド・歩行器など13種目、買えるのはシャワーチェア・ポータブルトイレなど5種目です
  • レンタル費用は月々数百円〜数千円。体に合わなくなったら交換もできます
  • 手続きの第一歩はケアマネジャーに相談すること。専門の相談員が家まで来て提案してくれます
  • 介護度によって借りられない用具もありますが、例外が認められることもありますので、まずは相談を

適切な福祉用具があれば、ご本人の安全と自信が守られ、ご家族の介護負担も軽くなります。「何を選べばいいかわからない」ときこそ、専門家の力を借りてみてください。

ご家庭でできること
  • まずはケアマネジャーに電話しましょう:「福祉用具を借りたい」と伝えるだけでOKです。まだケアマネジャーがいない方は、お近くの地域包括支援センターに相談してください
  • 家の中の「困りごとリスト」を作ってみましょう:「トイレで立ち上がるのが大変」「お風呂が怖い」など、具体的な場面を書き出しておくと、相談がスムーズです
  • 複数の事業者を比べてOK:同じ用具でも業者によって価格や品揃えが違います。「比べたい」と遠慮なく伝えましょう

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