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OT入門#作業療法#基礎知識

作業療法はいつ生まれた?歴史をやさしく紹介

作業療法の始まりから日本での広がりまで、歴史の流れをやさしく紹介します。リハビリで活動を大切にする理由が見えてきます。

📅 2026年3月7日 公開・2026年7月27日 更新読了目安 17分

この記事のポイント

  • 作業療法は古代の「活動による癒し」に起源を持ち、18世紀の道徳療法を経て1917年にアメリカで専門職として確立、日本では1965年の「理学療法士及び作業療法士法」で国家資格になりました
  • 1952年に世界作業療法士連盟(WFOT)が設立され、現在は117の協会・約68万人の作業療法士が世界で活動しています
  • 日本では1966年に第1回国家試験と日本作業療法士協会設立、1972年にWFOT加盟。有資格者は11万人を超えています

作業療法の歴史を知る意義

「作業療法」という言葉は、リハビリの場面で耳にすることが多いと思います。では、この仕事はいつ、どのように生まれたのでしょうか。

実は「好きな活動や仕事には、人を元気にする力がある」という考え方は、大昔からありました。このページでは、作業療法士という専門職が歩んできた道のりを、やさしくご紹介します。歴史を知ると、リハビリで「活動」を大切にする理由が見えてきます。

古代 ― 活動による癒しの原点

人類は大昔から、「何かに取り組むこと」に心を癒す力があると気づいていました。

古代エジプトでは、心の不調がある人にゲームや散歩をすすめていたという記録が残っています。また、古代ギリシャの医師ガレノスは「仕事は自然の最善の医者である」という言葉を残しました。

楽しみや役割のある暮らしが健康につながる――この気づきが、作業療法の原点です。

近代 ― 道徳療法から専門職の確立へ

今から200年ほど前のヨーロッパで、大きな転機が訪れます。

当時、心の病気を抱える人々は、鎖につながれるなど、つらい扱いを受けることが少なくありませんでした。フランスやイギリスの医師たちはそうした人々を解放し、園芸や手工芸、動物の世話といった活動を通じて回復を助けました。この取り組みは道徳療法と呼ばれ、作業療法の直接のルーツになりました。

その後、この考え方はアメリカに渡り、1917年に作業療法の専門職団体が誕生します。「作業療法の母」と呼ばれるスラグルさんをはじめ、多くの先人が土台を築きました。さらに二度の世界大戦では、けがをした兵士の回復と社会復帰を支える仕事として、作業療法は大きく発展しました。

作業療法の世界的な広がり

1952年には、世界中の作業療法士がつながる国際組織(WFOT)が生まれました。現在では100を超える国と地域の団体が加盟し、世界でおよそ68万人の作業療法士が活動しています。

日本における作業療法の歩み

日本で作業療法士が国家資格になったのは1965年です。法律ができた翌年の1966年に最初の国家試験が行われ、このときの合格者はわずか20名でした。

その後、養成校が全国に増え、作業療法士の数は少しずつ増えていきます。2000年に介護保険の制度が始まると、病院の中だけでなく、ご自宅や地域で活躍する作業療法士が増えました。

今では資格を持つ人は11万人を超え、訪問リハビリやお子さんの発達支援、就労支援など、活躍の場はどんどん広がっています。

作業療法の歴史年表

主な出来事を、かんたんな年表にまとめました。

作業療法のかんたん年表

大昔

古代エジプトやギリシャで、遊びや散歩が心の癒しに使われる

約200年前

ヨーロッパで活動による治療(道徳療法)が広がる

1917年

アメリカで作業療法の専門職団体が生まれる

1952年

世界作業療法士連盟(WFOT)ができる

1965年

日本で作業療法士が国家資格になる

現在

日本の作業療法士は11万人以上に。活躍の場が広がり続けている

これからの作業療法

作業療法は、時代の変化に合わせて活躍の場を広げてきました。これからも、住み慣れた場所で自分らしく暮らすことを支える身近な専門職として、ますます大切な役割を担っていきます。

「そもそも作業療法では何をするの?」と思われた方は、「作業療法とは?わかりやすく解説」もあわせてご覧ください。

ご家庭でできること
  • ご本人が昔好きだった活動を書き出してみましょう。園芸、手芸、料理、囲碁など、慣れ親しんだ趣味はリハビリの大切なヒントになります。担当の作業療法士にぜひ伝えてください
  • ご家庭の中に小さな役割を一つ用意してみましょう。花の水やりや食卓の準備など、小さな仕事が毎日の張り合いになります。活動そのものが人を元気にすることは、作業療法の歴史が教えてくれています
  • リハビリで気になることは、その場で質問してみましょう。「なぜこの活動をするのですか」と聞くと目的を説明してもらえ、ご家庭での関わり方のヒントにもなります
ポイント

作業療法の原点は、「好きな活動には人を元気にする力がある」という、大昔から変わらない気づきです。

ご本人が楽しいと感じる活動を大切にする姿勢は、100年以上かけて受け継がれてきた作業療法の中心的な考え方です。リハビリの内容で気になることがあれば、遠慮なく担当の作業療法士に相談してみてください。

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