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作業療法士になるには ── 学校・費用・国家試験

作業療法士になるまでの道すじを、進学先の選び方・3〜4年間にかかる費用・国家試験・卒業後の就職まで、進路を決めるのに必要な範囲でわかりやすくまとめました。

📅 2026年3月1日 公開・2026年7月27日 更新⏱ 読了目安 16分

この記事のポイント

  • 作業療法士になるには、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した養成施設(3〜4年制の大学・短大・専門学校)を卒業し、国家試験に合格する必要があります。学費の目安は国公立大学約250万円(授業料・入学料)・私立約500〜700万円です。
  • 3年制の専門学校でも4年制の大学でも、取得できる国家資格は同じ
  • 国家試験は毎年2月実施。第61回(2026年)の合格率は91.2%で、近年はおおむね80〜90%で推移
  • 資格取得後も継続的な学習が不可欠で、臨床・教育・研究・起業など多様なキャリアパスがある

作業療法士になるための基本ルート

作業療法士になる道すじは、ひとつだけです。養成校(大学・短期大学・専門学校)で3〜4年間学び、国家試験に合格すること。高校を卒業してまっすぐ進学すれば、早ければ3年後の春から作業療法士として働き始められます。

1

① 養成校に入学する

  1. 14年制の大学、3年制の短期大学、3〜4年制の専門学校から選びます
2

② 3〜4年間かけて学ぶ

  1. 2体の仕組みなどの土台から、病院や施設での実習まで段階的に進みます
3

③ 国家試験に合格する

  1. 3毎年2月に全国で行われ、3月下旬の合格発表を経て、その春から働けます

学費はどれくらいかかりますか

目安は、国公立の大学で4年間およそ250万円、私立の大学・専門学校で3〜4年間およそ500万〜700万円です。これは学費だけの金額で、ほかに教科書代、実習用具、実習先へ通う交通費(遠方なら宿泊費)がかかります。学校ごとの差が大きいので、志望校の募集要項で必ず確かめてください。

大学と専門学校、どちらを選べばよいですか

どちらを卒業しても、取れる国家資格はまったく同じです。4年制は学士の学位が取れ、将来は大学院に進む道が開けます。3年制は1年早く働き始められ、総額を抑えやすくなります。なお、社会人になってから目指す方も少なくなく、夜間に通える養成校もあります。

養成校(養成施設)の種類と選び方

養成校は2026年時点で全国に204校あります。数が多いので、次の4点を軸にすると比べやすくなります。

学校を選ぶときに見ておきたいこと
  • 費用の総額 — 学費に通学費や一人暮らしの生活費まで足して比べ、使える奨学金も同時に確認します
  • 国家試験への取り組み — 合格率の数字だけでなく、何年生からどんな対策をするのかを聞きます
  • 実習先の充実度 — 歴史のある学校ほど病院や施設との関係が深い傾向があります
  • 雰囲気と通いやすさ — 在校生や先生の様子は、資料からは分かりません

パンフレットだけで決めず、できればオープンキャンパスに親子で足を運んでみてください。実習室の設備や在校生の表情は、その場でしか分からない情報です。

養成校で学ぶカリキュラム

在学中に学ぶ内容は、大きく3つに分けられます。

養成校で学ぶこと

基礎の科目

骨や筋肉のつくり、体や脳の働きなど、医療の仕事に共通する土台

専門の科目

けがや病気、障害のある方にどう関わるのかという作業療法そのもの

実習

病院や施設で、指導を受けながら実際に患者さんを担当します

なかでも臨床実習は、いちばん大変で、いちばん力がつく時間です。1〜2週間の見学から始まり、最終学年では6〜8週間の長い実習を2回ほど経験します。

保護者の方に知っておいていただきたいのは、実習の期間はアルバイトを続けるのが難しくなるということです。実習先が遠方なら交通費や宿泊費もかかります。学費とは別に、この時期の生活費を見込んでおくと安心です。

国家試験について

国家試験は毎年2月下旬に全国の会場で行われ、3月下旬に結果が発表されます。養成校の最終学年に在学しながら受けるのが一般的で、卒業と合格がそろって初めて作業療法士になれます。受験料は10,100円(2026年現在)、選択肢から答えを選ぶマークシート方式です。

直近の第61回(2026年2月)は、受験した5,426人のうち4,947人が合格し、合格率は91.2%でした。易しい試験に見えるかもしれませんが、これは3〜4年の課程を修めた人が、学校ぐるみで対策をしたうえでの結果です。裏を返せば、10人に1人前後は合格できていません。

不合格だと、次のチャンスは1年後です

国家試験は年に1回しか行われません。合格できなかった場合、次に受けられるのは翌年の2月で、働き始められるのはさらにその春になります。学校を選ぶ段階で、国家試験の対策を何年生からどのように行っているかを確認しておくと安心です。

卒業後のキャリアパス

「資格を取ったあと、本当に仕事はあるのか」。保護者の方が気にされるところだと思います。作業療法士の就職状況は、今のところ良好な状態が続いています。

卒業後の主な就職先
1病院 — 入院中の方が退院後の生活に戻れるよう、食事や着替えを一緒に練習します
2介護施設・デイサービス — 高齢の方が住み慣れた家で暮らし続けられるよう支えます
3児童発達支援・放課後等デイサービス — 発達が気になるお子さんの育ちを支えます
4訪問リハビリ — 自宅に伺い、その方の生活の場で相談に乗りながら支援します

国家資格なので、一度取れば全国どこでも通用し、更新の手続きもありません。結婚や出産でいったん現場を離れても、戻りやすい仕事です。ただし合格した時点はスタート地点で、現場で一人前になるには卒業後も学び続けることになります。その先の進み方も、専門分野を深める、管理職になる、教員や研究者になる、独立するなど、ひとつではありません。

まとめ

ポイント

進路を考えるご本人・保護者の方へ

  • 進む道はひとつです。養成校で3〜4年学び、2月の国家試験に受かれば資格が手に入ります
  • 大学でも専門学校でも資格は同じ。4年制は学位と将来の選択肢、3年制は早さと費用の軽さが持ち味です
  • 費用は学費だけでは終わりません。通学費・生活費・実習の費用まで足して見積もりましょう
  • 合格率9割は、学校ぐるみで対策した結果の数字です。国試対策の体制は必ず確認してください
  • 働く場は病院に限らず介護施設・児童発達支援・訪問リハビリなど幅広く、資格に更新はありません
ご家庭でできること
  • オープンキャンパスは親子で行く: 費用、奨学金、国家試験対策、実習先。聞きたいことをメモにしてから行くと安心です。
  • お金の話を早めにしておく: 3〜4年間の総額を一度紙に書き出し、どこまでを奨学金で賄うかを家族で話しておくと、入学後に慌てずにすみます。
  • 働いている人の話を聞く: 見学を受け入れている病院や施設もあります。仕事の実際を知ることが、進学の意思を固める助けになります。

作業療法の基本については作業療法とは?わかりやすく解説を、作業療法士の仕事内容については作業療法士ってどんな仕事?を、活躍できる分野については作業療法の職域もあわせてご覧ください。


免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。養成校の情報や国家試験の詳細は変更される場合がありますので、最新情報は各養成校や厚生労働省の公式サイトをご確認ください。

よくある質問

作業療法士になるにはどうすればいいですか?
文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した養成施設(3〜4年制の大学・短期大学・専門学校)を卒業し、国家試験に合格する必要があります。高校卒業後の進学が一般的ですが、社会人から目指す方も少なくありません。いずれも養成校の課程修了が受験資格となります。
専門学校と大学では取得できる資格に違いはありますか?
3年制の専門学校でも4年制の大学でも、取得できる国家資格は同じ作業療法士国家資格です。ただし4年制大学では学士号が取得でき、大学院への進学がしやすいというメリットがあります。
作業療法士の養成校の学費はどのくらいかかりますか?
国公立大学は授業料・入学料の4年間合計で約250万円、私立は3〜4年間で約500〜700万円が目安です。日本学生支援機構の奨学金のほか、各都道府県や養成校独自の奨学金、教育ローンの利用も検討できます。
作業療法士国家試験の合格率はどのくらいですか?
近年はおおむね80〜90%で推移しており、第61回(2026年2月実施)は受験者5,426人に対し合格者4,947人、合格率91.2%でした。試験は毎年2月下旬にマークシート方式で実施され、受験料は10,100円です。
社会人から作業療法士を目指すことはできますか?
可能です。社会人から作業療法士を目指す方も少なくなく、夜間部や通信制など働きながら学べる養成校もあります。社会人でも養成校で所定の課程を修了すれば国家試験の受験資格が得られます。

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